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(治験の業務) ※1:別ページへジャンプ |
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(治験のドキュメント) |
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(法規制) |
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(情報BOX) |
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臨床試験のことがよくわかる |
臨床研究・治験活性化5か年計画2012案に関する意見の募集について 厚生労働省、2012/03/01 |
新たな治験活性化5カ年計画 厚生労働省 |
全国治験活性化3カ年計画に係るこれまでの取り組み 厚生労働省 |
わが国の治験の現状と問題点 栄研化学 - モダンメディア |
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治験のプロセス(全体像)
新医薬品の開発においては、承認審査のための資料作りが重要であり、非臨床試験及び臨床試験において新医薬品の品質、有効性及び安全性を示すために必要な成績が必要です。臨床試験としては第T相、第U相及び第V相試験(又はカテゴリーとしての臨床薬理的試験、探索的試験、検証的試験、治療的使用)が行われます。特に各相における臨床試験を開始する上で、非臨床試験あるいは先行する臨床試験の結果により薬剤の安全性が十分に確保される必要があります。
また、承認を受けるために提出される資料は厚生労働大臣の定める基準に従って収集され、かつ、作成されたものでなければならないことが薬事法で規定されています。臨床試験においては、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP)が施行されています。
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治験実施のプレイヤー |
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治験依頼者
治験の発案、運営及び(又は)資金に責任を負う個人、会社、研究機関又は団体。
通常は、製薬メーカーまたは、医療機器メーカーを指します。
IRB(Institutional Review Board):治験審査委員会
治験実施機関が治験を実施する際に厚生労働省に届け出た治験デザインを審査する中立的な組織で、治験の倫理性、安全性、科学的妥当性を審査する委員会です。
治験実施機関
治験を実施する医療機関
CRO(Contract Research Organization):医薬品開発業務受託機関
医薬品の開発において、治験依頼者(通常、製薬メーカー)の治験に関わる業務の一部を代行・支援する個人又は組織・団体(通常は、企業)です。
SMO(Site Suport Organization):治験施設支援機関
治験を実施する医療機関における治験業務を代行・支援する組織(治験施設支援機関)です。 |
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治験のプロセス(治験依頼者側のプロセスと各役割) |
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下記資料内(臨床試験プロセスと各役割)に記載されています。
データマネージメント 東京大学医学系研究科 大津洋、2005年
CBI公開講座「臨床試験方法論」 セミナー発表資料 |
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治験のプロセス(治験実施機関側のプロセスと各役割) |
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各プロセスの説明 |
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CRCの記入
CRFは医師が作成します。CRCは原資料からの転記のみ許されます。
CRFの回収
CRA(臨床試験モニター)がCRFを回収します。
コーディング
病名や副作用/有害事象名をコード化する作業です。通常は、データマネジメント部門が実施します。
CRFのレビュー
医学的観点からCRFの整合性をチェックします。
クエリーの発行
CRFデータの不整合の発見によって、治験実施期間に対して 発行する照会事項です。
クエリの多くはデータマネジメント部門が発行します。
データの入力
DM(データマネージメント部門)がCRFをデータベースに入力します。
データクリーニング
データ内の矛盾を解消するチェックを行います。
SDV(Sourse Document Verification)
原資料を直接閲覧により照合し、症例報告書との一致性を確認し、治験の適切な実施及びデータの信頼性等を検証します。
症例検討会
集められた症例を、あらかじめ決められたプロトコールを基に解析上どのように取り扱うか検討し、総括的な決定をする検討会をいいます。不完全症例の取扱い、解析対象としての採否などを検討する会です。主に臨床医を中心としてもたれます。
データ固定
CRFの登録と全部修正が終わったら、改ざんできないようデータをロックします。
キ−オープン
二重盲検試験の場合において、データの固定後に薬剤割付結果(コード)を明らかにすることです。
薬剤割付結果(コード)は、治験実施者から独立した割付責任者が保管・管理します。 |
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治験における「フェーズ」 |
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第T相試験(最も代表的な試験:臨床薬理試験)
第T相は、治験薬を初めてヒトに投与することから開始される。最も代表的な試験の種類としては、臨床薬理試験
があげられる。臨床薬理試験は通常第T相と同一であるが、一連の開発の過程の中で他の相で行われることもあ
る。第T相の目的には通常 以下の一つあるいは組合せが含まれる。
@ 初期の安全性及び忍容性の評価
A 薬物動態の検討
B 薬力学的な評価
C 初期の薬効評価
参考とすべき資料として「医薬品の臨床薬物動態試験について」(2001年6月1日、医薬審発第796号)が挙げられる。
第U相試験(最も代表的な試験:探索的試験)
第U相は、通常患者において治療効果を探索するための試験を開始する段階である。
典型的な第U相は、 明確に定義された基準に従って選択され、その状態を観察されている患者群を対象として
行われるもので、代表的な試験として探索的試験があげられる。この相の重要な目的は第V相で用いる用法・用量
を決定することである。
第U相前期
・薬物を初めて患者に試みる段階
・臨床用量の範囲、適応疾患の範囲を探索
第U相後期
・適応となる患者(少数)を対象
・至適用法用量を設定
第V相試験(最も代表的な試験:検証的試験)
第V相は治療効果の検証を主要な目的とする試験である。第V相の主要な試験は、意図した適応や投与される
患者群においてその薬剤が安全で有効であるという第U相までに蓄積された予備的な根拠を検証するために
デザインされる。この試験は製造承認のための適切な根拠となるデータを得ることを意図している。
第W相試験(多様な試験:治療的使用)
第W相で実施される試験は、医薬品の承認後に開始され、承認された適応に関連するものである。
市販後の副作用発現頻度を調査する使用成績調査、特別な患者を対象とした特別調査、市販後臨床試験等が、
これに該当する。わが国では、第W相と呼称するより、PMS(製造販売後調査)と呼ばれている。 |
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日本の薬事行政 日本製薬工業協会、2007年3月 より |
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治験における「フェーズ」 : 抗がん剤の場合 |
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抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン
第T相試験
第T相試験は非臨床試験成績を基に治験薬を初めてヒトに投与する段階である。非臨床試験で観察された事象に基づき、用量に依存した治験薬の安全性を検討するのが主な目的で、治験薬の投与経路、投与スケジュール、最大耐量(MTD)又は最大許容量(MAD)、用量制限毒性(DLT)、薬物動態と毒性の関連性、第U相試験における推奨用量を求める。(一般的な薬剤の第T相試験は、健常成人男子ボランティアを対象として行うが、)毒性が強い抗悪性腫瘍薬の第T相試験では、健康な人ではなく、がん患者を対象とすべきである。また、一般的に認められた標準的治療法によって延命や症状緩和が得られる可能性のあるがん患者を対象とすべきではない。
第U相試験
第U相試験は、特定の癌腫に対する有効性、安全性を評価するために実施される試験で、対象とする癌腫における治験薬の臨床的意義のある治療効果(通常、腫瘍縮小効果)、及び安全性を評価する。
第V相試験
第V相試験は、より優れた標準的治療法を確立するために行われる臨床試験である。第U相試験において安全性と腫瘍縮小効果、又は何らかのメリット(症状緩和効果等)が確認された新規抗悪性腫瘍薬の単独又は併用療法と適切な対照群との比較試験である。患者数が多い癌腫(非小細胞肺癌、胃癌、大腸癌、乳癌等)を対象とした抗悪性腫瘍薬では、それぞれの癌腫について延命効果を中心に評価する第V相試験の成績を承認申請時に提出することを必須とする。 |
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(平成17 年11 月01 日 薬食審査発第1101001 号)より抜粋 |
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治験と臨床試験の違い |
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治験
臨床試験のうち、新しい医薬品や医療機器の製造販売承認を厚生労働省から得るために実施する試験を表します。
臨床試験
新薬の開発の目的に限らない、人を対象とした治療を兼ねた試験をいい、一部治験も含まれます。
臨床研究
臨床試験だけでなく、症例報告や調査も含めた研究を表します。
医学研究 |
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CRA(臨床試験モニター) |
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医療機関との契約、治験薬の交付、臨床試験の実施、臨床データの回収などを行います。 |
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DM(データマネージャー) |
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データの入力、チェック、修正、管理を通じて回収された症例報告書(CRF)のデータをデータベース化します。
具体的には、プロトコルの作成、症例報告書設計、データベース構築・管理、患者データの登録、データ入力・処理、バリデーション、解析結果及び報告書のレビューなどを行います。
実際には、ITに関連する業務に従事する人と、運用に関連する業務に従事する人は、分かれて行われることが多い。 |
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生物統計家 |
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生物統計学の手法を用いて、治験の結果を解析し、治験薬の有効性及び安全性を、統計学的に説明(検証)します。
具体的には、プロトコルの作成、症例報告書設計、統計解析計画書の作成、解析プログラムの作成、統計解析報告書の作成、バリデーションなどを行います。
生物統計家の数は現在、400人程度と推定されています。 |
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CRC(治験コーディネーター) |
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CRCは治験責任医師の指導・監督のもと、専門的立場から治験責任(分担)医師の業務に協力します。
業務としては、患者に対し治験の説明を行ったり、治験のスケジュール管理、各種データの収集・管理など行います。
CRCの数は現在、5,000人程度と推定されています。 |
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メディカルライター |
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臨床試験計画の立案・調整、臨床試験の総括報告書などの承認申請資料を作成します。
メディカルライターには疫学、生物統計学や方法論の知識が求められます。 |
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治験の現状と課題 |
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医薬品は安全性などを調べる臨床試験などがあり、新しい物質の発見から薬の実用化まで10年以上。実用化まで平均5年程度といわれています。
さらに日本の事情として国内の治験期間が米国に比べ1年以上長い。承認審査も含めれば2年を超えています。安全性から、期間が短いことがすべていいとはいえませんが、日本の承認制度に新薬が生まれにくい最大の原因があるという指摘は多くあります。
また、日本は国の承認制度だけでなく、患者への効果を科学的に調べる臨床研究も弱いといわれています。
米医学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンが1991年から10年間に掲載された生命科学分野の国別論文シェアを調べたところ、基礎科学では4位だった日本は臨床研究では14位でした。治験に参加する患者が集まりにくいなどの理由もあります。
このため、2000〜2004年に欧米などで承認された新薬165種のうち「四分の三が日本で使えず、患者の不利益になっている現状があります。 |
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厚生労働省資料 「全国治験活性化3カ年計画に係るこれまでの取り組み」 より |
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治験等の効率化に関する報告書 厚生労働省、2011/07/05
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製薬企業に対する治験の現状アンケート調査結果 日本製薬工業協会、2008年3月27日
医薬品評価委員会臨床評価部会では、2003年度より臨床評価部会加盟会社を対象に治験の実態について継続的に調査しております。治験の現状について関係者が情報を共有し、今後の治験推進に役立てていただくため、2007年度調査結果の一部を掲載しています。
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“時代遅れ”な日本の医薬品 Biotechnology Japan
“時代遅れ”な日本の医薬品(前編) 2006年12月12日
なぜ国内で治験は進まないのか?
“時代遅れ”な日本の医薬品(後編) 2006年12月20日
審査官数は米国の10分の1以下企業の治験相談にも対応できず
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進まぬ医師主導治験 読売新聞、2005年9月17日
国の未承認薬使用問題検討会議も、製薬会社による治験が困難な場合、医師主導治験を検討するとしています。日本医師会は2003年、国の補助金を基に「治験促進センター」を設立、医師主導治験を進めています。学会から医師主導治験を要望された薬は約250種類に上ります。だが、実際に治験が計画されたのは10剤で、実施されているのは2剤に過ぎません。
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治験が活性化しない「そもそも」の理由 日経メディカル オンライン、2006年7月5日
厚労省医政局研究開発新興課は、日本の治験が「遅い、高い、質が悪い」ことの理由として、(1)被験者(患者)のインセンティブが低い、(2)実施研究者のインセンティブが低い、(3)治験の実施体制が弱い、(4)治験を着実に実施する医師・医療機関が不足している−−を挙げました。
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「治験の空洞化」が止まらない 日経メディカル オンライン、2006年6月28日
98年以後、治験届け出数は年間400件程度にとどまっており、以前に比べればかなり減少しています。治験ができない、あるいは治験の開始が遅くなれば、承認が遅れるのも当然です。
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(治験のドキュメント) |
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プロトコルは、治験を実施にするにあたって、治験実施者(治験を実施する医療機関)及び治験依頼者(製薬メーカー)が遵守しなければならないその治験に関する要件事項を全て網羅記載した実施計画書です。治験はこのプロトコルを遵守して行われます。
プロトコルに必要な項目
・目的
・背景と根拠
・試験薬/試験製品情報
・診断基準と病期・病型分類
・適格規準?登録・割付
・治療計画
・有害事象の評価・報告
・観察・検査・報告項目とスケジュール
・目標症例数と試験期間
・エンドポイントの定義
・統計学的考察
・症例報告書の記入と提出
・モニタリング
・倫理的事項
・試験の費用負担
・プロトコルの改訂
・試験の終了と早期中止
・記録の保存
・研究成果の帰属と結果の公表
・研究組織?文献
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治験実施計画書で規定されている被験者の全ての情報を記録するための報告書です。
CRFは書きやすく設計されている必要がありますが、その形式によって次の2つに分類されます。
冊子型(Book)症例報告書
症例単位で一冊作成します。報告は投与終了後にまとめて行います。
観察・検査情報ごとに記載されているので一覧性があるというメリットがあります。
分冊型(Visit)症例報告書
記入した頁ごとに回収可能なリーフ型の症例報.告書。報告は分冊毎に行います。
ボリュームが大きくなるという欠点がありますが、回収がタイムリに行えるので、記載ミス、プロトコル逸脱などデータの不具合を早期に発見できるメリットがあります。
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治験業務を誰が実施しても適切かつ均質に遂行できるように基本的な業務手順を体系的にまとめた手順書です。
新GCPにおいては、治験に携わる、製薬メーカー(治験依頼者)、CRO、医療機関(治験実施施設)は、SOPを作成し、それに基づき作業を行うことが義務づけられています。
SOPの内容については、各社独自の手順で良いとされています。
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(治験実施機関のサンプル) |
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記載例
・概要(業務範囲)
・実施体制(責任者、担当者)
・業務手順
・準備までの手順
・利用するシステム
・メタデータ
・システムバリデーションのポリシー
・用意するマニュアル類
・データ入力の流れ
・コーディング
・有害事象の報告
・終了報告
・資料の保管方法 |
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治験の終了後、治験の目的、方法及び成績等をまとめた治験に関する報告書です。その構成と内容についてはガイドラインが提示されているのでそれに沿って作成する必要があります。治験総括報告書は量的にも膨大なものになります。
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(法規制) |
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臨床試験に関するガイドライン |
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治験報告書 |
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民族的要因 |
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GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準) |
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臨床試験 |
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臨床評価 |
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治験システムの規制に対するMinimum Requirmentとして、次のような対応が求められます。 |
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(1)パッケージソフトウェアの場合(Configurable Softawre Pakages)
・Validation Plan(VP)を作成すること
・Traceablity Matrix(TM)を作成すること
・User Requirements Specifications(URS)を作成すること
・Functional specifications(FS)を作成すること
・Technical specification(TS)を作成すること
・InstallationQualification(IQ)を行うこと
・Operation Qualification(OQ)を行うこと
・Performance Qualification(PQ)を行うこと
・Validation Report(VR)を作成すること
・ドキュメント、プログラム、データは定期的にバックアップすること
・プログラマーに対して教育・訓練を行うこと
・システムを運用するSOPを作成すること
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(2)データマネージメントにおけるロジカルチェックの場合(Custom Software)
・Validation Plan(VP)を作成すること
・プログラム仕様書を作成すること
・プログラムテストはテスト仕様書を作成し実施すること
・Validation Report(VR)を作成すること
・ドキュメント、プログラム、データの監査証跡を記録すること
・ドキュメント、プログラム、データは権限のあるもののみがアクセスできるような仕掛けを持つこと
・ドキュメント、プログラム、データは定期的にバックアップすること
・プログラマーに対して教育・訓練を行うこと
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(3)統計解析におけるSASプログラミングの場合(Custom Software)
・Validation Plan(VP)を作成すること
・プログラム仕様書を作成すること。同等のドキュメントがある場合は代用しても良い
・プログラムテストはテスト仕様書を作成し実施すること
・Validation Report(VR)を作成すること
・ドキュメント、プログラム、データの監査証跡を記録すること
・ドキュメント、プログラム、データは権限のあるもののみがアクセスできるような仕掛けを持つこと
・ドキュメント、プログラム、データは定期的にバックアップすること
・プログラマーに対して教育・訓練を行うこと
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(4)クエリなど発行してデータ参照する場合(Custom Software)
・クエリーと結果は紐付けて管理すること
・プログラマーに対して教育・訓練を行うこと |
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(情報BOX) |
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医薬品開発の現状と国際共同治験に関する基本的考え方 2007年12月
計量生物セミナー
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国際共同治験に関する基本的考え方について 薬食審査発第0928010号、2007年9月28日
厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知
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日本を含む国際共同治験実施状況 政策研ニュースNo.21 医薬産業政策研究所、2006年11月8日
国際共同治験として実施されているプロトコル413件のうち、日本での実施を含むものは僅か6件に過ぎないことが、医薬産業政策研究所の調査で分かりました。第1位だった米国の264件に比べると余りにも少ない。
日本を含む国際共同治験実施状況 医薬産業政策研究所主任研究員石橋慶太
−米国国立医学図書館治験登録簿を用いた調査−
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